保育園には給食があり、白ご飯だけは家から弁当箱に詰めて持たせてもらう。
ある日、自分のアルミ弁当箱のフタを開けると、白ご飯の上に大きなナメクジが横たわっている。
心臓がドキンとうずき、周りに見つからないようにすぐに蓋を閉じて隠した。
騒いではいけないという思いで、しばらくは平静を装いはしたが、5歳の私にはどう対処してよいかわからず、前の教壇で食べている怖くて苦手な先生に助けを求めることにした。
驚いた先生は、ためらいながらナメクジの横たわっている部分を掘って、窓から外に捨ててくれた。
当然その光景を、気持ち悪がりながらクラスの皆が注目している。
その後「残りを食べるか?」と先生に聞かれ、答えることができず、その瞬間から私は泣きだしたと思う。
しばらく困った先生は、結局残りの白ご飯をすべて外に捨て、弁当箱を空にしたあと、自分の白ご飯を少し私の弁当箱に施してくれた。
この施し飯の味と、一部始終の公開処刑的なイメージは鮮明に心に刻まれている。
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