生涯発達の道を、ゆっくり思い出しながら綴っていきます。インナーチャイルドを癒せたとき、やがて使命とする独自の癒しの世界へと行き着くでしょう。

画鋲を踏んだまま、裸足で走る

ある日、講堂に集まってのお遊びがあった。
全員裸足になって、前の子の肩に手を置いて長い電車を作り、先生の掛け声で輪になって走るというものだった。
前の子から離れまいと必死で走っているとき、足の裏に激痛が走った。
画鋲を踏んだのだ。
しかし、私は停まることも叫ぶこともせず、刺さったまま痛みをこらえて走り続けるしかなかった。
よくそんな事が5歳児にできたものだ。それくらい、当時の私には先生に言うのが恐かったのだ。
ようやくストップの掛け声がして、前の子の肩を離すことができたので、恐る恐る足の裏を見て、金色の画鋲をそっと抜いた。
当然血が出てきたし、それを見て自分も泣けてきた。
お遊び終了後、教室に皆が戻るのを待ちながら通りがかった先生に、画鋲のことを訴えた。当然、何かしら手当をしてくれたり、我慢して頑張った自分に優しい声かけを期待してのことだ。
結果は寂しくも、端の壁に刺しておくようにと言われただけで、大して気にもしてもらえなかった。血が出ていることを伝えて初めて絆創膏を一枚貰うことができた。
報われない「忍耐」と「虚しさ」という心境を知る体験になった。

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