幼いわが目に焼き付いている光景のひとつに、家の居間の柱に足を括られ、暴れる母(女の人)の姿がある。
農繁期で家の者は全員田んぼに出かける必要があり、かなり究極の処置であったと思われる。つまりは身体拘束しなければ出かけられない、家族が生活ができない程、母の状態は悪かったのだろう。
身体拘束について非難の声をよく耳にするが、それがなされる現場はいつも追い詰められた状態で必死なのだ。そこに善悪のジャッジが必要なのだろうか。
幼い私は、状況がわからないまま、大声で暴れる光景に恐怖を覚えながら、扉を閉めて大人に着いていくしかできなかった。
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