生涯発達の道を、ゆっくり思い出しながら綴っていきます。インナーチャイルドを癒せたとき、やがて使命とする独自の癒しの世界へと行き着くでしょう。

たどり着く為に必要な道のり

自己を認識した頃

店の前でウロウロ

食材や日用雑貨を扱う店が町内に1店はあり、そこへ行けば一通りの物は買えるというのが日常生活の姿であった。大人たちは夕方に籠を下げてその日に入荷したおかずの材料を探しに行く。そしてツケ(帳面付け)で物を持ち帰り、月末に支払うというシステムであ...
自己を認識した頃

天井から垂れ下がる白蛇

風呂焚き場は土間になっており、天井は屋根裏がむき出しのような構造であった。当時、蛇の抜け殻や細い黒茶の蛇を見ることは珍しいことではなかったが、さすがに家の天井から白い蛇が垂れ下がる光景は珍しく、それは静かに動いており、私は一人で立ちすくんで...
自己を認識した頃

川の中で回転する赤い長靴

田んぼ仕事を夫婦がしている。わたしは、夫婦の娘で2つ程下の女の子とふたりで田の畔で遊んでいた。田の畔は草で覆われ、そこにある水路(川)も土と背丈くらいの草で埋もれていた。草花を取ろうとしてだったか、私の目の前でズルズルという音と共に、女の子...
自己を認識した頃

田んぼに仰向けになった白いクルマ

ある日、野次馬気質の祖母に付いて歩いていった先に、田んぼの中に仰向けになっている車の姿を目にした。なかなのスピードでカーブを曲がろうとして横転してしまい、田んぼに転げ落ちたと見られる。実っている稲が大きく抉られた様を、私は重い気持ちで眺めて...
自己を認識した頃

あっけない命

お祖母ちゃんに付いていった先の家には、少し年下の女の子がいた。祖母たちが話しこんでいる間だけ子供同士で遊ぶ、細やかな関係ではあったが、そんな機会が何度かあったと思う。ある日の昼、上がらせてもらった居間のテレビに、獅子がはしごに登り、上で逆立...
自己を認識した頃

顔を舐める女の人

野性的な母性本能が表に出るとこうなるのか・・・私は母らしき女の人からしきりに顔を舐められた。嫌がるわたしには全くお構いなしで、本能のまま舐めまわす人だ。頬は赤くカピカピであっただろうけど、抱きかかえて貰えることには、わたしは喜びを感じていた...
自己を認識した頃

傘をさして家に入って来た女のひと

その日は雨が降っていたのでしょう。家には、お祖母ちゃんとお姉ちゃんと私。玄関の戸が開いて、傘をさした父が誰か女のひとを連れだって入ってきた。きょとんと眺めている私に、「お母ちゃんやで、忘れたんか?」と少し笑った感じで、父だったかお祖母ちゃん...
自己を認識した頃

祖母の迎え

夕方外で従妹と遊ぶ私は、中に入るように呼ばれた。見覚えのある祖母が家の中の居間に座っている。私を連れ戻しに来てくれたようだ。「・・・帰る・・・」ような空気が室内にはあり、少し困惑しながら夜に祖母とふたりで叔母の家を出た。その時の玄関の灯りを...
自己を認識した頃

鼻垂れ小僧はあっち行けと言われた日

きっと私は風邪をひいていたのでしょう。鼻を垂れながら従妹と外で遊んでいたとき、近所の男の子が私に近寄ってきて「鼻垂れはあっち行け」と言ったあと、従妹には「そんな汚い鼻垂れ小僧と遊ばんとき」と言い放った。従妹は威勢よくかばってくれたが、私は居...
自己を認識した頃

そこには異質な自分がいる

家族が囲む丸い食卓の絵が浮かぶ。傍には男の子と女の子、お父さん、お母さんと呼ばれる夫婦がいて、それは私にとっては叔父と叔母であり、子供たちは従妹である。そこに混じる異質な自分は、なぜそこにいるのかまだ理解できていない。